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下条先生インタビュー

▶ はじめに、下条先生の専門分野を教えてください
日本小児科学会小児科専門医、日本アレルギー学会アレルギー専門医・指導医として診療を行っています。中でも、小児の免疫アレルギー疾患が専門分野です。

 

▶ 千葉大学小児科11代目の教授として大学病院で勤務をされていましたが、定年退職後にtumsグループに勤めることになったきっかけを教えていただけますか?
現在、tumsグループの東小岩わんぱくクリニック院長である小島博之先生にお声がけいただいたことがきっかけでした。小島博之先生とは千葉大学免疫アレルギーグループで一緒に仕事をしていた繋がりがあります。
いままで病院という環境で臨床や研究をたくさん経験してきましたので、定年退職後は現場の第一線で沢山の子どもたちを診させていただき、役に立ちたいと思っていました。クリニックを数多く持つtumsグループにて諸先生方と連携しながらアレルギーの“早めの治療”や“予防”に力を入れた診療を行いたいと考えています。

 

▶ 診察室入り口に「Best Doctors®」記念盾がありましたね、認定基準などを教えていただいてもよろしいですか?
「Best Doctors®」はベストドクターズ社(本社:米国マサチューセッツ州ボストン、1989年創業)が発行する医師同士の相互評価調査により、年に1度選出されているそうです。医師に対し「あなた自身またはあなたの大切な人が特定の専門分野の医師を必要とした場合、誰を選びますか?」という調査を行い、基準を満たした医師のみが認定となるとのことです。
私自身も、人柄や対応の良さ、学問的、臨床的な部分を考えて適任な方を推薦させていただいています。日本には約30万人の医師がいますが、「Best Doctors in Japan(ベストドクター)」は全科合わせて約6,500名(2020年3月時点)だそうです。私は2018-2019年、2019-2020年と連続して認定していただいており、とてもありがたく思っています。

 

▶ 下条先生が小児科医になった理由を教えてください。
子どもたちはビビット(生き生きとしている)で、成長と発達があり、将来・未来があるのでそれを支えていけることに魅力を感じたこと。それと、医師として個々の臓器ではなく総合的に子どもたちを診たいと思ったからです。
子どもは泣いたり、騒いだり、私たち大人がびっくりするようなことを平気でしますよね、大人にはない、生き生きとしたエネルギーを感じられます。子どもは国の財産ですから、研究や診療を通して子どもたちを守ることができたら嬉しいです。

 

▶ 診療で心掛けていることを教えてください。
双方向のコミュニケーションを大事にしています。年齢に合わせた子どもさんの気持ち・考えに寄り添うことと、お父さん・お母さんは一緒にお子さんをみてゆくパートナーなので、対等にお話をして沢山意見をもらった上で、共同で良い治療法を探していきたいと思っています。
注射などの痛いことで泣いているときや病院が怖くて暴れてしまっているときも、診療行為には必ず理由があることをできる限り説明して子どもたちもわかるように伝えるよう心掛けています。医師が本気だとちゃんと子どもたちも向き合ってくれます。
あとは、当然ですが、絶対に子どもたちに嘘はつかないようにしています。何をされるかわからないからこそ緊張してしまうので、先に今日は何をするのかを伝えて、嫌なことは早く終える。待たせてしまうのが一番かわいそうですからね。まず診察をしてしまって、子どもたちに「今日は(本人の役目は)終わりだからね」と伝えると、ほっとした顔をすることが多いです。お父さん・お母さんと仲良く話していると、この先生はいい人だ!と子どもが安心することもありますね。 症状が改善したり、改善に時間がかかったとしても頑張ろうと思えるようにサポートをするなど、お子さんやそのご家族の役に立てたらいいなと思います。

 

▶ 子どものアレルギー発症を予防するため妊婦さんや妊娠前の女性に伝えたいことはありますか?
これまでの我々の調査研究では、ストレスを抱えている方や、便秘ぎみの妊婦さんは、そのような症状のない妊婦さんの3倍ほど、生まれた赤ちゃんにアレルギー症状がでる確率が高いという結果が出ています。特に便秘は諸悪の根源ですから、食事や生活習慣に気を付けることが大事です。WEBサイトで自ら情報を調べることももちろん良いと思います。ただ、いくつもの情報が巷に溢れていますので、正しい情報に接することが大切だと考えています。気になることがあったときには、患者さん・ご家族から医師へ、「こんな情報があったんですけどどうですか?」と気軽に聞けるような関係ができているといいなと思います。
患者さん。ご家族も自ら症状について勉強をしている方が多くいらっしゃいますので、医師からの一方通行の会話ではなく、フランクに話しあえるといいですね。調べたうえでの疑問点を自分の想いを含めて質問してくれたら嬉しいです。

 

▶ 対アレルギーのために、身近なおすすめ食品などはありますか?
前述の通り、腸内の環境が様々な病気に関連するということが判明しています。
日本は発酵食品の国です。腸内環境改善のためにはヨーグルトや納豆を摂取するのがおすすめです。若い女性ならスムージーなども飲みやすく、お通じをよくしてくれるのでいいですね。食べ物で健康が保てたら薬よりいいじゃないですか。私は千葉大学医学部を退職後も千葉大学予防医学センターの特任教授を務めています。食品会社さんとの共同研究として、ビフィズス菌を増やすオリゴ糖の臨床研究も行っています。妊婦さんや小さな子どもさんなど薬を飲むことに対して心配がある方々でも取り入れやすいものを研究していきたいと思っています。 大人では腸の面積はテニスコート1面半分あり、リンパ球という免疫の細胞がたくさん存在しています。
リンパ球はウイルスやバイ菌が来たら戦うという、生体防御機構の要です。しかし、現代では腸内環境の悪化によってリンパ球が正常な判断をできなくなり暴走してしまって病気になりやすくなっているのではないかと考えられてきました。いい腸内環境にすることが大事ですね。

 

▶ 先生の趣味や休日の過ごし方を教えてください
中学生の時から50年以上硬式テニスをやっています。あとは、定年退職したら乗馬とチェロを習うのが夢だったのですが、まだできていません(笑) 馬は人を見るといいますよね、こいつはダメ!と思ったら後ろ足で蹴ったり、噛んだりするそうです。
子どもたちも人を見て、この先生は違う!と思ったら仲良くできないでしょう。乗馬に挑戦するが機会があれば、診療でこどもたちと接するのと同じように本気を伝えてみようと思います(笑)

 

▶ 地域の皆様、そしてお子様のアレルギーで悩まれている方に向けてメッセージをお願いいたします。
最近の子どもたちの病気のタイプはワクチンの導入により大きく変わってきました。これからはより健康をめざすために予防医療を大切にしてほしいと考えております。
子どもたちの健康を守り、特に患者さんの数も多いアレルギー疾患の予防・早期の軽快化、重症化の予防を進めていきたいです。 tumsグループの“わんぱくクリニック”は複数あり、様々な専門性を持った医師がいます。ご相談の内容によっては、より専門性の高い先生を紹介し合いながらお子さんへの対応をしています。協力し合うことで良い診療のためのネットワークができ、特定の臓器のみでなく全体を診られるようになっています。
お子さんも、そのご家族も、治療や予防に向けて一緒に取り組んでいきましょう。何かありましたらお気軽にご相談ください。お待ちしています。

 

下条 直樹先生

<略歴>
千葉大学医学部卒業
前千葉大学大学院医学研究院小児病態学教授
前千葉大学医学部附属病院前アレルギーセンター長
千葉大学予防医学センター特任教授
千葉大学医学部附属病院アレルギーセンター客員教授
日本小児アレルギー学会理事
<専門分野>
小児の免疫アレルギー疾患

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